サーベイツールや管理ツールを導入して安堵している企業も多いようですが、それらの導入は企業側の論理に過ぎず、社員は誰一人望んでいません。
その証拠に、サーベイツールや管理ツールを導入して社員が喜んだという話はなく、相変わらず不満が拡大しています。
社員が本当に求めているものは、「サーベイ」や「管理」といった形だけの仕組みではありません。
多くのケースで社員が望んでいるのは、次のような本質的なものです。
■理解と共感
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自分の努力や状況を、上司や会社がきちんと理解してくれている感覚。 |
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「声を聞いた」という事実よりも「本当に理解されている」という実感。 |
■成長と裁量
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自分のスキルを伸ばせるチャンスや、裁量を持って動ける環境。 |
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過度に管理されるよりも、「信頼して任せてもらえること」を重視。 |
■公平さと納得感
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評価・昇給・昇進が透明で、公平に行われていると感じられること。 |
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「自分の頑張りが正しく扱われている」という安心感。 |
■働きやすい人間関係
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職場に安心して相談できる相手や、尊重し合える雰囲気があること。 |
■貢献実感
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自分の仕事が会社や社会にどう役立っているかを感じられること。 |
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「誰かの役に立っている」「必要とされている」という感覚。 |
つまり、形式的な「サーベイ」や「管理」ではなく、
■双方向の対話
が、社員の満足度やエンゲージメントにつながります。
「サーベイでも管理でもない」仕組みとして、社員が本当に求めているものを満たすための具体策
■1. 双方向の対話を仕組みにする
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アンケート(サーベイ)ではなく、リアルタイムで声を拾える場を用意します。 |
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上司と部下の「雑談+相談の場」。業務報告ではなく、悩み・希望を共有できる時間。 |
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経営層やリーダーに気軽に相談できる「心理的安全性」をつくる。 |
■2. 信頼ベースのマネジメント
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細かい手順管理ではなく「成果を信じて任せる」。 |
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失敗を責めるのではなく、学びに変える文化を作る。 |
■3. 公平さと納得感を見える化する
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昇給・昇進の基準を数字だけでなく「行動・姿勢」も含めて明確にする。 |
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四半期ごとに「ここが良かった」「次はこう期待している」と伝える。 |
■4. 心理的安全性を整える
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SlackやTeamsに「ありがとうチャンネル」をつくり、日常的に感謝を共有。 |
■5. 貢献実感を高める
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自分の仕事がどう会社の成果につながったのかを見える化。 |
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売上や利益だけでなく「社会にどう貢献したか」も伝える。 |
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チーム内で「この改善が役立った」という小さな成果をシェアする。 |
■まとめ
社員が求めているのは「管理」や「調査」ではなく、
これらを小さな仕組みで積み重ねることが、社員のモチベーションや定着につながります。
コストをかけずにすぐ導入できる「サーベイでも管理でもない仕組み」
■1. 1on1ミーティング(30分×月1回)
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やり方:上司が部下と月1回、30分程度、業務報告ではなく「雑談+相談」の場を持つ。 |
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目的:不満や悩みを早期に吸い上げ、信頼関係を築く。 |
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ポイント:話す比率は「社員7:上司3」。上司は聞き役に徹する。 |
■2. ありがとうボード / チャット
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やり方:オフィスのホワイトボードやSlack/Teamsに「ありがとう専用コーナー」を作る。 |
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ポイント:強制ではなく「任意投稿」。上司も積極的に参加。 |
■3. 評価の透明化メモ
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やり方:評価や昇給の基準を1枚の紙(またはGoogleドキュメント)にまとめて全員に共有。 |
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目的:不公平感の防止。噂や憶測による不信感をなくす。 |
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ポイント:数字だけでなく「行動や姿勢」も評価対象に含める。 |
■4. 小さな成功の共有タイム(週1回・5分)
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やり方:朝礼やミーティングで「今週の小さな成功」を1人1件だけ発表。 |
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目的:自分の貢献を実感でき、他者からも承認される。 |
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ポイント:売上だけでなく「改善した工夫」「助けたこと」もOK。 |
■5. ミニ成長サポート制度
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やり方:社員が学びたいことに、会社が月3000円まで補助(本、オンライン講座など)。 |
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目的:成長意欲を支援し、「会社は自分を育ててくれる」と感じてもらう。 |
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ポイント:領収書1枚提出でOK。手続きは極力シンプルに。 |
■6. 社長・リーダーのオープンタイム
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やり方:週1回、社長やリーダーが「誰でも相談できる30分」を空ける。 |
■導入のコツ
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全部やらなくても、1〜2個だけ始めて習慣化するのがおすすめ。 |
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コストもほぼゼロ。時間投資で十分効果が出ます。 |
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